日記のリストへ
2005年2月1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28日
2月1日(火)
▼ Morganeが論文実験の手伝いをしてくれることを了承してくれたので、午前はスライスの私流の作り方を伝授。
▼ 午後はMethod論文の直し。
▼ レストランウィークなので、夕食は「ボロ(Bolo)」というスペイン料理レストランに行く。私が想像(期待)していた“スペイン料理”とはちょっと違ったけど、料理そのものの質はかなり高い。
▼ 夜はメトロポリタン歌劇場へ。今日はプッチーニの最後の作品である「トゥーランドット」。2年前にも観た。メトでもっとも圧倒的な演出をするのがこのオペラ。演出を手がけたのはもちろんフランコ・ゼッフィレッリ(Franco
Zeffirelli)。ハリウッド的でド派手なんだけど、妙に説得力があるし、泣ける。メトのオペラでひとつだけ推薦するとしたら、やっぱり「トゥーランドット」だろうなあ。オペラに興味ない人も、ぜひ観てみて欲しい。
▼ 今日は、朗々とした美声で歌うヨハン・ボータ(Johan Botha)のカラフ、堅実に訴えるクラシミーラ・ストイアノヴァ(Krassimira
Stoyanova) のリューともにすばらしかった。とりわけヨハン・ボータは、私の数多いメト巡歴で聴いてきた歌手の中でも頭ひとつ抜きん出た実力派のテノール歌手だ。それから、グルーバーの代役で歌ったレベッカ・コプレー(rebecca
copley)という人もなかなかのでき栄えだった。すぐ後ろの席の老夫婦が演奏中ずっとぺちゃくちゃしゃべっていたのがなければ、最高の夜になっただろう。
▼ PNAS Mu-opioid receptors modulate the stability of dendritic spines Dezhi Liao, Hang Lin, Ping Yee Law, and Horace H. Loh
2月2日(水)
▼ さすがに2月に入ったからか、だいぶ日が延びてきたような気がする。北緯が深いほど昼夜比の変化が激しいわけだから、東京にいるよりも季節の変化に気づきやすいのかな。
▼ 一日はMethod論文の改訂。午前は図の作成。神経細胞とグリア細胞のシグナルを分けてプロットしてみる。手作業で手間が掛かったけど良い感じ。
▼ 午後は文章改訂&編集者への手紙を書く。内容のことでちょいとMorganeと言い争いに。とりあえず必死になると英語でもなんとか言い返せる自分。
▼ 夜は私の帰国後に妻が住むアパート(の候補)に下見に行く。帰りには近くの「ハロー・ベルリン」でウィンナーを食べる。
▼ 急遽、来週末また海外旅行に行くことになった。場所はマジョルカ島。
▼ Neuron Presynaptic Action Potential Amplification by Voltage-Gated Na+ Channels
in Hippocampal Mossy Fiber Boutons D. Engel and P. Jonas 海馬苔状線維の巨大シナプス終末にダイレクトにパッチ。単一シナプスボタンあたり2000個くらいのNaチャネルが発現していると推定し、さらにモデル計算によりこれが活動電位を増幅しカルシウム流入を促進していることを示唆している。Discussionの最後にちょっとだけ触れられてはいるけれど、これと
Synaptic Facilitationの関係が気になるところ。
▼ Neuron Associative Short-Term Synaptic Plasticity Mediated by Endocannabinoids S.D. Brenowitz and W.G. Regehr 小脳の登上線維(の代謝型グルタミン酸受容体)と平行線維が同時に刺激されると、プルキンエ細胞の樹状突起から平行線維単独の時よりも多量のカンナビノイドが放出され、より平行線維入力が抑制されるというもの。連合可塑性の新しい型である。
▼ Neuron Positive Feedback in a Brainstem Tactile Sensorimotor Loop Q.-T. Nguyen and D. Kleinfeld
▼ JNS Brain-Derived Neurotrophic Factor and Antidepressant Drugs Have Different
But Coordinated Effects on Neuronal Turnover, Proliferation, and Survival
in the Adult Dentate Gyrus Mikko Sairanen, Guilherme Lucas, Patrik Ernfors, Maija Castren, and Eero
Castren RK君用
▼ MCN Regulation of cortical dendrite development by Rap1 signaling Yachi Chen, Phyllis Y. Wang and Anirvan Ghosh
▼ MCN α7 integrin mediates neurite outgrowth of distinct populations of adult
sensory neurons Natalie J. Gardiner, Paul Fernyhough, David R. Tomlinson, Ulrike Mayer,
Helga von der Mark and Charles H. Streuli
▼ MCN Simultaneous observation of stably associated presynaptic varicosities
and postsynaptic spines: morphological alterations of CA3-CA1 synapses
in hippocampal slice cultures Tatsuya Umeda, Tatsuhiko Ebihara and Shigeo Okabe
▼ 最近、とく今年に入ってから印刷するだけして読まない文献が貯まりつつある・・・いかんいかん
2月3日(木)
▼ 今日はずっと気温が0℃以上だったみたい。とてもしのぎやすい。
▼ 朝からRXY君の論文。
▼ 昼はMethod論文を再投稿する。近いうちに受理の知らせがあるだろう。
▼ 夜は佐藤君と薫さんとレストラン「ガスタヴィーノ(Guastavino's)」にフレンチ料理。意外にも皆で会うのは初めてだった。料理もなかなかおいしい。
▼ SF君の論文の返事がNeuron誌から来る。一人の審査員は面白がってくれているようだ。わざわざ新しいモデルを提唱して自分で計算し検証までしてくれた。Hopfield本人かな。でも他の二人の審査員はちょっと厳しい感じだ。どうしようか。。。私はこのSF君の論文は個人的には大好きなんだけどなあ。
▼ Nature Structure and different conformational states of native AMPA receptor complexes TERUNAGA NAKAGAWA, YIFAN CHENG, ELIZABETH RAMM, MORGAN SHENG & THOMAS
WALZ AMPA受容体複合体の挙動を一分子レベルで追求。最後の“... activated
AMPA-Rs not only generate EPSCs but might also present a signal...of their
own desensitization to the extracellular space”という考察もいいなあ〜
2月4日(金)
▼ 午前実験。染まらない。。。
▼ 午後隆二の論文。
▼ 夕方はBrain Storming。これはYusteラボで初の試みで、あるテーマについて皆で議論するというもの。さて今日は最近の論文であるPolyene-lipids: A new tool to image lipidsを中心にこれやこれなどツールを応用した新しい研究を考える。皆さんよく発言するのでけっこう長引く。薬作でもこの形式の議論をやったら良いかもしれないけど、でも、日本人は自分の意見を言わない傾向があるのでダメかな。
▼ 夜はカーネギーへ。後半の演目だけ聞く。ラドゥー・ルプーの奏でるベートーベンのピアノ協奏曲第五番「皇帝」。伴奏はウェルザー=メスト指揮クリーブランド管弦楽団。ルプーはここ連日でベートーベンのコンチェルト全五曲を演奏している。今日はそのチクルスの3日目。彼については去年の日記で書いた(こちら)。今日は昨年と比べると多少調子が悪かったようだ。それでも美しい音色と歌心が失われないあたりはさすがはルプー。今年で還暦なんだそうだ。
▼ 帰宅後もRXY君の論文。深夜まで粘って一通り完成。
▼ 今週のF1000: NC Bayesian computation in recurrent neural circuits Rao RP
▼ 今週のF1000: Neuropsychologia Relationship between hippocampal volume and memory ability in healthy individuals
across the lifespan: review and meta-analysis Van Petten C
2月5日(土)
▼ 午前はRXY君の論文のレターを書く。
▼ 午後は寄稿二つ書く。併せて1万字くらい書いた。
▼ 夕方からブルーノートへ。薫さんがチケットを取ってくれた。今日はチック・コリアが出ているとあって満席だった。スペイン系を主体にしたピースたち。チック独特の節回しも健在。やっぱ、かっこいいなあ、ジャズって。
▼ 妻がmoving sale用のHPを作った。家具などは再利用が一番。ちゃんと売れるといいなあ。
2月6日(日)
▼ 最近、ハトが一匹、アパートの窓のすぐ外に巣を作ったみたいで毎朝ポッポポッポ鳴いている。急に暖かくなってはるだと勘違いしているのかな。
▼ 今日はデータ解析。先週のMakseの解析結果があまり好ましくなかったので、自分でも解析してみる。確かに変だ。。。
▼ 夕方からリンカーンセンターへ。まず近くのタワーレコードでギャーリック・オルソン(Garrick
Ohlsson)のCDをいくつか買う。昨年11月以来(こちら)、彼の弾くショパンにはまっている。日本では彼の名はあまり通っていないけれど、もっともっと日本で認知されるべきピアニストだと思う。一度、生演奏を聞いてみたい。
▼ ショパンを買った理由は、次の週末のマジョルカ島旅行の間のBGM用。
▼ その後はAlice Tully Hallへ。初めていくリンカーンセンターの演奏会ホールだ。今日はフライブルク・バロック・オーケストラがクリスティーネ・シェーファーを伴って登場とあって、ロングアイランドにお住まいの安田さんにも声を掛けてご一緒する。私にとっては初めて古楽器のコンサート。CDでは普段からよく古楽器の演奏を聴くが、実演でというのはなんとも刺激的だった。シェーファーのヘンデルもこれまた意外と似合う。アンコールは歌劇『リナルド』より「私を泣かせてください」だった。しみじみ。コンサート後は近くの中華料理で妻と3人で楽しく食事。
▼ 話は変わって童話の「三匹の子ぶた」。そう、子ブタたちが家を作る話。長男はわらの家、次男は木の家、三男はレンガの家。レンガの家は時間がかかるので兄たちに笑われる。ところが狼がやってきて、わらの家も木の家も吹き飛ばしてしまう。長男と次男は弟のレンガの家に逃げ込んで、追ってきた狼をこらしめる・・・という話。
▼ でも昨年末のインドネシア・スマトラ沖大地震を見て、ふと私は「3びきのこぶた」に思いを巡らせた。子ブタの村に地震が襲う。三男はレンガ下敷きになり死亡、次男は倒れた木柱で重症、結局、無事だったのは長男だけ。そう、レンガの家はとても危ないのだ。 教訓:モノの価値基準はひとつではない。童話の現代バージョンとしてどうだろう。。。うそ
2月7日(月)
▼ このところ道行く人々の合言葉。「最近暖かいねえ。これがずっと続くといいねえ」。最高気温10℃を超える日が続いている。先日までの寒波は何処へやら。一時的に寒い日があっても基本的に今年は「暖冬」だといってよいだろう。
▼ さまざまな雑務で昼過ぎまでかかる。
▼ 午後は実験の準備。それからデータ解析。PCに計算を仕掛けて早めに帰宅。
▼ 一昨日、ロス郊外に住む伯父伯母と電話した。そこで依頼があったので『進化しすぎた脳』を手元にあるだけお送りする。
▼ 妻が日本クラブのアロマテラピー教室に通う。今日は初日。教室の先生、アロマテラピスト・中村潤(なかむらじゅん)さん、いろいろな意味ですごい人だ。HPはこちら(英語)。プロフィールはこちら。顔はこんな感じ。んで、僕よりも一個つ年下。
▼ 帰国の飛行機の便を押さえた。ノースウェスト航空3月25日発予定。アメリカ滞在も、いよいよ、残りもわずかだ。
▼ そして引越し業者にも電話した。運送は日本の業者がよい。日通のニューヨーク支店が再来週に見積りにくる。引越しは3月22日の予定。
▼ そういえば先週はタイムワーナーを解約してしまったので、もうテレビが観られない。
▼ Acrobat Readerの日本語版が出ていたのに今日ようやく気付いた。こちら早速入手。起動が速くて感動。これでPDF独特のストレスも減る。ダウンロードはこちらから。
▼ ついでFirefox用のGoogleツールバーも導入する。
2月8日(火)
▼ 午前実験。今日もそれほどうまく行かない。そこで午後、すべての試薬&ストックを作り直す。また明日チャレンジ。
▼ 夕方からSequence Chain解析用のプログラムの改変。
▼ 夜は妻の友人夫妻がサンフランシスコから出張に来ているので、一緒に食事ができるかと思ってレストランに出かけるが、1時間待っても来ないので諦めて帰宅。インスタントラーメンを食べる。
▼ 大学にもどって仕事の続き。
▼ PNAS Characterizing functional hippocampal pathways in a brain-based device
as it solves a spatial memory task Jeffrey L. Krichmar, Douglas A. Nitz, Joseph A. Gally, and Gerald M.
Edelman
2月9日(水)
▼ 今朝、生まれて初めて英語を話す夢を見た気がする。夢のなかでもちょ〜しどろもどろで下手クソだった。
▼ 最近、実験が停滞気味なので、朝、Rafaと相談。
▼ 午前、IzhikevichのSpiking Neuronモデルを自分で再現してみる。すげー簡単。今後はこれを使っていこう。近々ホームページにも載せようかな。
▼ 午後、実験。またダメ。どうやら色素そのものに問題があるような。。。
▼ 夕方、データ解析。
▼ JNS Sequential-Context-Dependent Hippocampal Activity Is Not Necessary to Learn
Sequences with Repeated Elements Mark R. Bower, David R. Euston and Bruce L. McNaughton
▼ JNS Amygdalar Inactivation Blocks Stress-Induced Impairments in Hippocampal
Long-Term Potentiation and Spatial Memory Jeansok J. Kim, Ja Wook Koo, Hongjoo J. Lee, and Jung-Soo Han KN君
▼ CC BDNF Locally Potentiates GABAergic Presynaptic Machineries: Target-selective
Circuit Inhibition Shizu Ohba, Takamitsu Ikeda, Yuji Ikegaya, Nobuyoshi Nishiyama, Norio
Matsuki, and Maki K. Yamada SOさんの論文が掲載された
▼ CC Layer-specific Production of Nitric Oxide during Cortical Circuit Formation
in Postnatal Mouse Brain Taiko Imura, Shigeaki Kanatani, Satoshi Fukuda, Yusei Miyamoto, and Tatsuhiro
Hisatsune RXY君用
▼ CC Neonatal NMDA Receptor Blockade Disturbs Neuronal Migration in Rat Somatosensory
Cortex In Vivo Petra Reiprich, Werner Kilb, and Heiko J. Luhmann RK君用
2月10日(木)
▼ 一日、データ解析。
▼ 夕方にニューアーク空港へ。
▼ Nature Motor control of flexible octopus arms German Sumbre, Graziano Fiorito, Tamar Flash & Binyamin Hochner タコの柔軟な腕で見られる運動制御
▼ Nature Functional imaging with cellular resolution reveals precise micro-architecture
in visual cortex Kenichi Ohki, Sooyoung Chung, Yeang H. Ch'ng, Prakash Kara & R. Clay
Reid 単一細胞レベルの分解能を持つ機能イメージングで明らかになった視覚皮質の精密な微小構築。大木さんの論文。秀逸。
▼ Nature Contributions of an avian basal ganglia-forebrain circuit to real-time
modulation of song Mimi H. Kao, Allison J. Doupe & Michael S. Brainard 鳴禽類の歌のリアルタイム制御に対する大脳基底核−前脳回路の寄与
▼ Cell Thrombospondins Are Astrocyte-Secreted Proteins that Promote CNS Synaptogenesis K.S. Christopherson, E.M. Ullian, C.C.A. Stokes, C.E. Mullowney, J.W.
Hell, A. Agah, J. Lawler, D.F. Mosher, P. Bornstein, and B.A. Barres グリア-ニューロン相関。アストロ→トロンボスポンジン→シナプス形成。必読。
2月11日(金) スペイン
▼ マドリッド経由で、真昼にマヨルカ島に到着。
▼ 買い物しながら旧市街地をプラプラと散歩。途中、カテドラルやアルムダイナ宮殿に立ち寄る。
▼ 何度きても、やっぱりスペインはいいなあ。
▼ Science Optical Imaging of Neuronal Populations During Decision-Making K. L. Briggman, H. D. I. Abarbanel, and W. B. Kristan, Jr. ヒル。電位感受性色素。これすごく面白いかも。
▼ N Sprouting of mossy fibers and presynaptic inhibition by group II metabotropic
glutamate receptors in pilocarpine-treated rat hippocampal slice cultures A.M. Thomas, A.A. Corona-Morales, F. Ferraguti and M. Capogna RK君の論文が引用されている。
▼ N Long-range temporal correlations in the spontaneous spiking of neurons
in the hippocampal-amygdala complex of humans J. Bhattacharya, J. Edwards, A.N. Mamelak and E.M. Schuman へえ、彼女、こんな研究しているんだあ。私の研究にモロ関係あるじゃん。
2月12日(土) スペイン
▼ 時差ボケ。起きたら11時半だった。
▼ タクシーでヴァルデモッサへ。ここにはショパンが恋人ジョルジュ・サンドと過ごしたカルトゥーハ修道院がある。いくつか直筆譜があって感動。
▼ その後、バスでパルマ・デ・マヨルカに戻り、ミロ美術館、カラ・マヨール海岸、ベルベル城を巡る。
▼ 夜はバルやカフェを梯子する。
▼ 今週のF1000: JNP Synaptic integration in rat frontal cortex shaped by network activity. Leger JF, Stern EA, Aertsen A, Heck D
2月13日(日)
▼ 今日はここマジョルカのスタジアムで、いま日本で話題だという大久保嘉人選手のスペインリーグのサッカーの試合(対アルバセテ戦)がある。実際、地元でも彼の認知度はかなり高かったから本物だ。でも、明日から仕事なので、泣く泣く早朝に出発する。
▼ マドリッドを経由して、昼過ぎにニューヨークに戻るが、入国検査がひじょーに厳しく、自宅に着いたら夜だった。
▼ 夜はSF君の論文など。
2月14日(月)
▼ 午前はAndyの研究報告。いろいろと面白いデータが揃いつつある。あとはデータの見せ方ひとつでイケるような気もする。Talkの途中でRafaが「ハンガリーのグループが海馬の回路構築について色々と有用な知見を報告しているが、それをそのまま大脳皮質に当てはめようとする人が多くて、皮質研究の進展に悪しき影響を及ぼしている」とコメントしたのが印象的だった。
▼ 午後は実験。またダメだあ。。。同じ系で実験しているMorganeも困り気味。
▼ 夜はリンカーンセンターへ。今日はバレエ・ガラ「スターズ・オブ・21stセンチュリー(Stars of the 21st Century)」の日。私のお気に入りのディアナ・ヴィシニョーワ(Diana Vishneva)やアリーナ・コジョカル(Alina Cojocaru)はもちろんすばらしく、それ以外にも今日初めて見た二人のダンサー、つまり柔軟で四肢でしなやかに踊るルシア・ラカッラ(Lucia Lacarra、ミュンヘン・バレエ)、艶やかなエレオノーラ・アバニャート(Eleonora Abbagnato、ボリショイ・バレエ)がとても良かった。男性ダンサーはやはりABTがレベルが高い。
▼ 帰宅後はRXY君の論文。
▼ 『記憶力を強くする』が重版。第16刷は3000冊の増刷。
▼ JCB Botulinum neurotoxin C initiates two different programs for neurite degeneration
and neuronal apoptosis Laura Berliocchi, ... Pierluigi Nicotera
▼ JCB Coordinate control of axon defasciculation and myelination by laminin-2
and -8 Dongren Yang, ... Bruce L. Patton
2月15日(火)
▼ 一日中、SF君の論文に専念。だいぶ完成に近づいた。
▼ 今日は13℃まで気温が上がったみたい。すると、キャンパスには短パン&Tシャツで日光浴する学生がちらほらと。。。っていうか、白人たちは体質的に“寒さ”を我々ほどには感じないみたいで、たとえば冷たい水でも平気で海水浴ができたりする。
▼ アングロサクソン系があまり“旨味”を感じないことは以前書いたことがあったが(こちら)、これ以外にも、有名な黄色人と白人の人種差に“網膜の感受性”がある。彼らは暗がりでも我々よりもよく見えているらしい。そういわれてみれば、欧米の室内はかなり照明が暗い。理由はロマンティックな雰囲気が出るからというんでなく、たぶん、暗くても十分に生活ができるからなんだと思う。
▼ ついでに関連事項(最上さんの日記から)。河合隼雄氏の言葉 ─ 「東洋人は全体を見るとか、そう言うことを私もいろいろ経験的に言っていたんです。そうしたらアメリカのある認知心理学者が実験をして、そもそも物事の認知の仕方が違うと言い出した。例えば、水槽に魚が泳いでいる場面をアニメーションにして何分間か見せるんです。終わった後で見た事を聞くと、日本、韓国、中国は似ていて、全体の景色から始める。ところがアメリカ人は、大きい魚が中心から右へ向かいました、というところから始めるんです。明確に違う。それがデータできれいに出ているんです」
▼ 確かにそうだな。帰国したらこの本を読んでみよう。
▼ それはともかく、明後日からまた零下の世界に戻るらしい。
▼ PNAS Speech recognition with amplitude and frequency modulations Fan-Gang Zeng, ... Keli Cao
▼ PNAS Remembering one year later: Role of the amygdala and the medial temporal
lobe memory system in retrieving emotional memories Florin Dolcos, Kevin S. LaBar, and Roberto Cabeza
▼ Hippocampus Spatial analysis of spike-timing-dependent LTP and LTD in the CA1 area
of hippocampal slices using optical imaging Minoru Tsukada, Takeshi Aihara, Yuki Kobayashi, Hideaki Shimazaki
▼ Hippocampus Spatiotemporal visualization of long-term potentiation and depression in
the hippocampal CA1 area Takeshi Aihara, Yuki Kobayashi, Minoru Tsukada
2月16日(水)
▼ MKY先生の件でNM先生にメールなど諸々をこなしていたら午前が終わっていた。
▼ 昼にはSF君の論文の英文校閲をBrendonに依頼する。
▼ 午後はRK君がチェックしてくれたRXY君の論文に目を通して、あとはYuste研からの論文の図づくりに専念。
▼ 夕方は五番街のヤマハのコンサートサロンへ。平田真希子さんのピアノ・リサイタル。
▼ こんなサイトを公開した。その名も「数学は脳を模倣する!?」。二つの話題を載せたがどちらもいまの研究に関係していることで、将来的にも展開していきたいと思っている。ホームページに掲載した内容はあまりにも簡単すぎて、実戦とはほとんど関係もないのだが。
▼ Nature How sleep affects the developmental learning of bird song SEBASTIEN DEREGNAUCOURT, PARTHA P. MITRA, OLGA FEHER, CAROLYN PYTTE &
OFER TCHERNICHOVSKI
▼ Nature Neurodegeneration: Cellular defences destroyed DENNIS W. CHOI
▼ JN Activity-Dependent Long-Term Potentiation of Intrinsic Excitability in
Hippocampal CA1 Pyramidal Neurons Jun Xu, Ning Kang, Li Jiang, Maiken Nedergaard, and Jian Kang ペアリングで徐々にLTP-IEが形成される。これはNMDA-CaM
kinase II-タンパク合成というお決まりの経路で誘導され、Naチャネルの特性変化により発現される。
▼ JN Gq/11-Induced and Spontaneous Waves of Coordinated Network Activation in
Developing Frontal Cortex D. Paola Calderon, Natalya Leverkova, and Alejandro Peinado Fura-2のスライスBuld
Loadingを使っている
▼ JN Activity-Dependent Synaptic Plasticity in the Central Nucleus of the Amygdala Rachel D. Samson and Denis Pare 視床→扁桃体中心核シナプスはプレのNMDA受容体依存的に誘導され、プレで発現される。
▼ JN Role of Synaptic and Intrinsic Membrane Properties in Short-Term Receptive
Field Dynamics in Cat Area 17 Lionel G. Nowak, Maria V. Sanchez-Vives, and David A. McCormick
2月17日(木)
▼ 今朝も英語でDmitryiと楽しく会話する夢をみた。もちろんちょーたどたどしい英語。
▼ 朝、昨夜つくった「Moving Sale開催中」の貼り紙を印刷した。
▼ 午前ちょっと雑用をいた以外は来月のプレゼンの図作り。
▼ ここ3日間はMorganeに実験をまかせている。全然うまくいかないらしい。昨年の9月&10月あたりの状況に似ている。帰国間際のデータが必要な時期に、これはとても痛い状況だ。
▼ そのMorganeに共著になってもらった論文がNeurosci Resに受理された。よかったよかった。
▼ ガヤ流Performance Theory: 演奏家にとって重要なもの=演奏技術、作品への独自な解釈、暗譜のための記憶力、スター性(アピール力、求心性、話題性など)など。。。いろいろあるが、意外と忘れられがちなのは「集中力」ではないだろうか。集中力がないと長大な作品を演奏し通せない。音楽に一貫性がなくなるし、演奏ミスも増えるだろう。
▼ 集中力を維持するために重要な姿勢は音楽そのものにあまりノメリ込まないことだと思う。なぜなら集中力にはある種の“緊張感”の持続が必要だから。音楽に陶酔すると緊張感が低下する。そう、自分自身は酔ってはいけないのだ。自分ではなく、あくまで“聴衆”を酔わせることが演奏家の仕事である。音楽を愛しすぎるあまりに夢中になっては、音楽が崩壊してしまう。音楽家たるもの音楽を愛すればこそ、一歩離れた冷徹な視点が必要なんだろうと、そんなことを最近感じる。
▼ 先日書いた原稿のゲラが届いたので昼休みにチェックをした。「…自分の低脳ぶりに落胆して…」という私の文章の表現にマッタが掛かっていた。“低脳”はいわゆる放送禁止用語なんだそう。んで、ネットで調べてみたらこんなサイトを見つけた。確かに“低脳”は禁止されている。
▼ ところで、上記のリストの中でとりわけ驚いたのは、“うんち”は放送OKだけれども、“うんこ”は放送禁止だということ。うーん、何がちがうんだあ?っと思ってさらに調べてみた。大辞林によると、“うんこ”は幼児語なんだそう。へえ、幼児語は使っちゃいけないんだ。。。って、ホント、これ?
▼ Science Learned Predictions of Error Likelihood in the Anterior Cingulate Cortex Joshua W. Brown and Todd S. Braver
▼ Science Flexible Control of Mutual Inhibition: A Neural Model of Two-Interval Discrimination Christian K. Machens, Ranulfo Romo, and Carlos D. Brody
▼ Neuron The Rac1-GEF Tiam1 Couples the NMDA Receptor to the Activity-Dependent
Development of Dendritic Arbors and Spines K.F. Tolias, J.B. Bikoff, A. Burette, S. Paradis, D. Harrar, S. Tavozie,
R.J. Weinberg, and M.E. Greenberg
▼ Neuron Cascade Models of Synaptically Stored Memories S. Fusi, P.J. Drew, and L.F. Abbott メタ可塑性(metaplasticity)によって記憶保持を説明するモデル
2月18日(金)
▼ 一日、データ解析。ドパミンのデータの解析が手持ちの分については終わる。
▼ 夕方はポスドク候補のTalk。全反射蛍光顕微鏡(TIRFM)を使ってvesicleの挙動を追ったものだが、他のポスドクからはけっこう鋭い突込みを受けていたが、私としてはなかなか面白かった。
▼ 夜はブルックリンへ。昨年のBoazの送別会で知り合いになったBoazの従姉妹の夫妻宅に妻とともに呼ばれる。妻が彼女に日本料理を時々教えているので、今夜はそのお礼ということらしい。イスラエル料理をご馳走になった。ただ彼らいわく、イスラエルは歴史が浅いので、いわゆる「イスラエル料理」というのはないらしく、シリアやパレスチナやトルコやエジプトなどのミックススタイルになるんだそう。とはいえ、とても(予想外に?)美味しかった。
▼ ちなみに旦那さんのMattan Klein氏は、会うのはこれで2回目なんだけど、彼はちょっと有名なミュージシャンで、アメリカ内外でフュージョン・ジャズを演奏しているフルーティスト(こちら)。「記念に」とCDを10枚(3種類)ももらってしまった。これがなかなか良いのだ。
▼ CON Young and excitable: the function of new neurons in the adult mammalian
brain Fiona Doetsch and Rene Hen
▼ 今週のF1000: NN Distant influences of amygdala lesion on visual cortical activation during
emotional face processing Vuilleumier P, Richardson MP, Armony JL, Driver J, Dolan RJ
▼ 今週のF1000: Science Control of Excitatory and Inhibitory Synapse Formation by Neuroligins Chih B, Engelman H, Scheiffele P
2月19日(土)
▼ 隆二の論文に勤しむ。昼過ぎに投稿にこぎつける。J Neurosci誌へ。
▼ 午後は確定申告用の書類の整理。
▼ 夕方から帰国前に買っておきたいものの品定めにミッドタウンに出かける。
▼ 夜はエイヴリー・フィッシャー・ホールへ。恒例のニューヨークフィルハーモニーのコンサート。先週と今週はリッカルド・シャーイが指揮と担当している。「彼の実演をまだ聞いたことがないよなあ」とRobertoと意気投合し、彼の友達も交え、4人で今日は演奏会にでかける。妻と私で学生券を4枚取った。今日の演目はストラビンスキーの「火の鳥」。細部の微妙な表情付けから、大音量のアンサンブルまで本当にすばらしい演奏を聞かせてくれた。さすがはシャイー。これまで聴いたNYPのコンサートの中でもとりわけすばらしい演奏だった。
▼ 帰宅後は再び確定申告。一通り計算を済ませる。終わったらかなり深夜になっていたので書類記入は明日にしよう。今回は収入はかなり少ないので税金を払う額が少ない。
2月20日(日)
▼ 窓の外に毎日聞こえるハトのつがいの声が、ここ数日、消えた。離婚したのかな。いや、きっと、また寒が戻ったからだろう、ずっと0℃以下だし。。。などと心配していたら今日また鳴いていた。覗いてみたら卵を温めているようだった。先日まで異様に暖かい日が続いたので春だと勘違いしたんだろうな。冬のまっただ中で、はたして卵は孵るんだろうか。
▼ 午前は確定申告の書類を清書する。さらにアメリカの確定申告書も仕上げる。
▼ 昼過ぎには向かいの建物にする知り合いの方が遊びにいらした。久々に柏餅など餡子ものを食べる。
▼ 夕方から買出し。「ブロードウェイ・パンハンドラー(BROADWAY PANHANDLER)」でル・クルーゼ(Le Creuset)の鍋やクイジナート(Cuisinart)のフードプロセッサーを買う。さらにリトル・イタリーと中華街まで歩き、安い食材を買いあさって「マンダリンコート(Mandarin Court Restaurant)」で食事して帰宅。
▼ 天山vs小島。60分間の残り11秒で天山選手立てず。。。脱水症状らしい
▼ どうやら三共と第一製薬が合併らしい。だとしたらビッグニュースだ。
2月21日(月)
▼ 今日は雪。軒先のハトの巣は敢えなく雪に埋没。ハト去る。
▼ 午前、ポスドク候補Talk。二光子でCalmodulinの動態を追った研究。
▼ 午後、実験。久々に染色は良い。が、スライスが安定せず。データが取れない。うむ。また明日チャレンジ。
▼ 昨日「Moving Sale開催中」のビラを日本食コンビニの掲示板に貼ったら、さっそく「貼り紙を見た」と家具を買いたい方が夕方尋ねてくれた。これで全体の3分の1くらいは買い手がついた。我々としても捨てるくらいなら誰かに有効に活用してもらえれば嬉しい。私も渡米当初は、こうやってMoving
Saleから買ったなあ、となんとなくしみじみ。
▼ 夜はSF君の論文。Brendonが英語をかなり丁寧に直してくれたのでずいぶんと良くなった気がする。
▼ 昨日行った「ブロードウェイ・パンハンドラー」では、想像以上に調理器具が安く買えるので、今日も妻が仕入れにいく。オール・クラッド(All Clad)のフライパン3つ。仏製のクリステル(Cristel)のフライパンと迷ったが、使いやすさと、やはりアメリカ在住の記念に米国製のオールクラッドを選んだ。
▼ 買った調理用具は、もちろん、開封せずに日本へ持って帰る。日本の40〜50%の値段で購入できるので、今のうちにある程度買っておかないと。
▼ 来月25日に学会参加のため帰国するが、書類上はコロンビア大学に3月31日まで在籍できることになった。
▼ N Periodic oscillatory activity in parahippocampal slices maintained in vitro T. Kano, Y. Inaba, M. Avoli
▼ N Functional mapping of the prosencephalic systems involved in organizing
predatory behavior in rats E. Comoli, E.R. Ribeiro-Barbosa, N. Negrao, M. Goto, N.S. Canteras
▼ N A role for adult neurogenesis in spatial long-term memory J.S. Snyder, N.S. Hong, R.J. McDonald, J.M. Wojtowicz
2月22日(火)
▼ 軒下の雪は融けた。ハトが戻ってきた。「残念だけど、もう、君の卵はないんだよ」っと教えてあげたいんだけど。
▼ 午前実験。今日も染色がうまく行く。データ取れる。
▼ 午後はSF君の論文。途中、Brendonと議論など。内容だけでなく、英語表現についていろいろと教えてもらいながら有意義に話ができた。
▼ 夕方は平田さんと「ベットラ」で食事。音楽家と演奏についていろいろと談義。
▼ 帰宅後は再びSF君の論文。
2月23日(水)
▼ 早朝に起きて、SF君の論文の最終手直し。
▼ 朝、コロンビア不動産オフィスに行って、アパートの解約日を決める。
▼ その後、Rafaと実験や論文の相談。この2日間、急にまた染色実験がうまく行くようになった理由について議論。
▼ さらにその後、自宅に戻る。日通に引越し費の見積りをしてもらう。船便だけで50万円くらいだそう。
▼ 昼にはSF君の論文をJ Neurosciに投稿する。
▼ 今日、一日休暇をもらったので午後は妻とショッピングに出かける。「シャーパー・イメージ(Sharper Image)」で買い物をし、後は趣味の楽譜やCDなど。いずれもアメリカ滞在中に買っておきたいものばかりを仕入れる。
▼ JN NMDA Receptors Increase the Size of GABAergic Terminals and Enhance GABA
Release Monica L. Fiszman, Andrea Barberis, Congyi Lu, Zhanyan Fu, Ferenc Erdelyi,
Gabor Szabo, and Stefano Vicini
▼ JN Theta Stimulation Polymerizes Actin in Dendritic Spines of Hippocampus Bin Lin, Eniko A. Kramar, Xiaoning Bi, Fernando A. Brucher, Christine
M. Gall, and Gary Lynch
2月24日(木)
▼ 午前は貯まったメールなどで終わってしまう。最近なんだか時間がとれなくてメールがたまり気味。いかんいかん。
▼ 午後は投稿論文の図作りを始める。昨日、すでにあるデータに関してはあと2週間以内に図を作ることをRafaと約束したのだ。
▼ 夜はリンカーンセンターへ。ロリン・マゼール(Lorin Maazel)指揮でニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団(New
York Philharmonic Symphony Orchestra)。今日の曲目のメインはリムスキー・コルサコフの交響組曲「シェーラザード」。このオーケストラ独特の色気のある弦で演奏されると、この曲の艶かしさが引き立つ。とりわけ第3楽章はこれまで聴いたものの中でも最高の演奏だった。
▼ 来月帰国とあって、ニューヨークフィルを聴くのはおそらく今夜が最後になると思う。地元に世界最高峰オケの一つがあるNYは、クラシック音楽ファンにとって本当に恵まれた街だ。NYフィルと常任指揮者マゼール氏に今までのお礼を言いたい
─ 記憶に残るすばらしい名演の数々をありがとう、と。
▼ ところで、昨日衝動買いした新譜CDふたつ。これとこれがなかなか良いCDだ。ブーレーズのバルトークはまあ手堅い感じなんだけど、後者のラン・ランのラフマニノフはゲルギエフのサポートを得てすばらしいデキバエ。昨年聴いた彼の実演のレベルをはるかに上回っている。
▼ メモ:Mammalian miR-1とmiR-206のターゲットにBDNFが含まれる可能性がある(参考文献)
▼ 『魔法の発音 カタカナ英語』増刷決定。第2刷は1000部。ホソボソとはいえ買ってもらえているみたい。
▼ Nature Excitatory cortical neurons form fine-scale functional networks YUMIKO YOSHIMURA, JAMI L. M. DANTZKER & EDWARD M. CALLAWAY 昨年のSFNで吉村さんに説明してもらった演題だ(こちら)。明日の文献紹介で取りあげられる予定。
▼ Nature Different time courses of learning-related activity in the prefrontal cortex
and striatum ANITHA PASUPATHY AND EARL K. MILLER
▼ Science Axonopathy and Transport Deficits Early in the Pathogenesis of Alzheimer's
Disease Gorazd B. Stokin, ...Lawrence S. B. Goldstein
▼ Science Control of Excitatory and Inhibitory Synapse Formation by Neuroligins Ben Chih, Holly Engelman, and Peter Scheiffele
▼ 昨年完結した「特集:介在神経の多様性(Interneuron Diversity series)」に続いて、今年のTINSでは「特集:シナプス結合(Synaptic Connectivity series)」が組まれている。AOPでも論文が出ているので要チェック。
2月25日(金)
▼ ほぼ一日、実験。
▼ 夕方はDavidの文献紹介。今週のNatureの論文がとりあげられた。今日はRafaはいなかったが、Vovanが言うにはRafaはあまりこの論文を高く評価していないみたい。でも個人的には好きなタイプの論文。
▼ 毎週、文献紹介はビールを飲みながらなんだけど、ここ一年半くらい私は健康を考えてビールを飲まないようにしている。でも、今日はいつもと違う銘柄のビールがあったので、思わず飲んでしまった。たくさん飲まされていい気分。
▼ 皆に来月18日に私の送迎会(アメリカでは自分で企画するのがふつう)を開くことを伝えた。
▼ 『文芸春秋』の3月臨時増刊号「言葉の力」に、私の書いたオヤジギャグに関する文章が載った。見本誌が届いたんだけど、私だけ妙に毛色が違う文章だ。
▼ ギャグといえば、私がこちらに渡ったばかりの頃に気になったことの一つに、アメリカ人のギャクがどうしても私には面白くないという事実だった。どうも笑いのツボが私たちとは違うようだ。んで、今日この話をしたら、Jasonが言っていた―「欧米人の感覚からすると、逆に東洋のギャグが面白くないだよね」だそうだ。東洋ギャクは“あいまいで具体性に欠ける”んだそうだ。ふーん、そんなモンなんだ。
▼ Cell 今号のCell誌は『Reviews on Aging』の特集だ。
▼ MCN Simultaneous observation of stably associated presynaptic varicosities
and postsynaptic spines: morphological alterations of CA3-CA1 synapses
in hippocampal slice cultures Tatsuya Umeda, Tatsuhiko Ebihara and Shigeo Okabe
2月26日(土)
▼ 午前、ムービング・セールの荷物運び。日本に持って帰る文献の整理。
▼ 午後は買い物など。途中、「メゾン・デュ・ショコラ(La Maison du Chocolat)」でちょいと一服。
▼ 夜は来月の受賞講演用のスライドを作る。
▼ チェスの最短手(フールズ・メート(Fools Mate)と呼ばれる手)の動画を見つけた(こちら)。4手で積む。妻によれば1933年に実際にこの試合があったらしい。日本の将棋ではこんなことありえないよなあ。
▼ IJDN Maturation of cultured hippocampal slices results in increased excitability
in granule cells
Lindroos MM, Soini SL, Kukko-Lukjanov TK, Korpi ER, Lovinger D, Holopainen
IE.
2月27日(日)
▼ 午前は妻の宿題の手伝い。
▼ 午後は妻の友人が車を出してくれたので、ドライブ。まずマンハッタンから北に100Kmくらい行った所にあるアルスター(Ulster)郡のニュープラッツ(NewPlatz)市あたりで遅めの昼飯。アンティークショップでガラスできたタツノオトシゴ型の小さな装飾品($4)を購入。
▼ その後、南に向かいニューアーク(Newark)の「イケア(IKEA)」で家具を眺めて、帰国後の室内のアレンジに思いをめぐらせる。IKEAは来年日本にもできる予定なんだけど(こちら)、我々の引越しには間に合わない。
▼ 夕食はフォート・リー(Fort Lee)の韓国料理や「ソー・コン・ドン(So Kong
Dong)」で豆腐チゲを食べる。うまい。安い。多い。
▼ 帰宅したらもう結構な時間。アカデミー賞の発表は見なかった。
▼ 充実した一日。
2月28日(月)
▼ 午前、TY君の論文の仕事を少した後、ミッドタウンにちょっと買い物へ。
▼ 昼にはラボに戻る。TY君の論文Figの直し。その後「ウェイブレット(Wavelet)」でノイズ除去のプラグラミングを試みるが挫折。ドベシー係数の設定が難しい。日本に帰ったら落ち着いて勉強しよう。
▼ 夜は私の帰国後、妻がNYに住む場所の下見に行く。なかなか良かった。
▼ 帰宅後はTY君の論文のリバイズ。
▼ またまた増刷決定!『進化しすぎた脳』第6刷が20,000部、『海馬』第19刷が5,000部。すごいすごい。
▼ JNP Decrease in Synaptic Transmission Can Reverse the Propagation Direction
of
Epileptiform Activity in Hippocampus In Vivo Zhouyan Feng and Dominique M. Durand
▼ JNP Synchronization in Hybrid Neuronal Networks of the Hippocampal Formation Theoden I. Netoff, ... John A. White 海馬細胞とのハイブリッド共鳴
▼ JNP In Vivo Demonstration of a Late Depolarizing Postsynaptic Potential in
CA1
Pyramidal Neurons Yuan Fan, Bende Zou, Yiwen Ruan, Zhiping Pang, and Zao C. Xu CA1錐体細胞には生理学的に2種類に分類される。Apical樹状突起の形も違う。
▼ JNP Dopamine Modulates Excitability of Basolateral Amygdala Neurons In Vitro Sven Kroner, J. Amiel Rosenkranz, Anthony A. Grace, and German Barrionuevo
日記のリストへ